4月からの子供の進学や就職で夫婦2人だけの生活が始まる家庭もあるだろう。特に就職などで子供が独立するなら、今まで「もしもの時に家族を守るため」に加入していた生命保険の保障内容を見直す時期かもしれない。
「子供の独立後は、生命保険を“子世代に迷惑をかけないため”の保障内容にシフトするとよい」と助言するのは、総合保険代理店R&Cの金山亮佑氏だ。
「60歳以上で夫婦2人で生活している場合、今後考えるべきは自分たちの『介護費用』や『葬式費用』。そのためのお金を保険を使って残せるようにしておく。逆に言えば、それ以外は整理したほうがいいということです」
整理する方法としては大きく2つあり、ひとつは不要になった保険の解約。もうひとつは保障内容を減らすことで、解約することなく保険料の払い込みを停止できる「払い済み保険」の仕組みを使うことだという。
「病気や事故などで働けなくなる場合に備える『就業不能保険』は、子育て期間中は重要ですが、子供が独立すれば不要になる。これを解約し、毎月の保険料数千~1万円が節約できます。
一生涯の保障が続く『終身保険』は万が一に備えるものでもありますが、子供の独立後も保険金を増やす必要はない。保険料支払いが残っているなら、解約ではなく『払い済み』に契約変更しましょう。その分、保障内容は当初より減額されますが、仮に大病を患ったとしても公的保険の高額療養費制度が利用できるので医療面の備えは問題ありません。これで月額数千~1万円程度が節約できます」(同前)