コロナ禍の外出自粛要請で活況を呈したオンライン消費。決済にクレジットカードを使うケースも増えたが、還元ポイントの内容によっては魅力が減じたものもあるようだ。
「そもそもクレジットカードを複数枚持つメリットはないと考えます」──ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏はそう語る。どういうことか。
「むしろ還元ポイントがバラけてしまい損です。解約したり、年会費が安くなるようにカードのグレードを下げたりすることをお勧めします」
まず整理したいのは、ゴールド以上のいわゆるステータスカードだという。
「現役時代からのカードを定年後もそのまま持つと多額の年会費がかかる上、コロナ禍で利用頻度が減ったことで溜まったポイントを使いきれない人が多いのでは。また、空港の専用ラウンジ利用や各種コンシェルジュサービスなどの特典を使いこなしているか考え直すことも必要です。
現役時代は年数万円以上の年会費に見合ったメリットがあっても、引退後は削れるコストかもしれません。更新ギリギリに解約しようとするとタイミングが遅れて、また1年更新されてしまうこともあるので、思い立ったときに解約するのがいいでしょう」(同前)
とはいえ、クレジットカードを持たない生活は現実的ではない。コロナ禍以前から政府の「キャッシュレス」推進政策が続けられており、マイナンバーカードを申請し、クレジットカードを含む任意のキャッシュレス決済を登録することで最大5000円分が還元される「マイナポイント」事業も延長された(申込は2021年3月末まで)。
「公共料金の引き落としもカード決済ならポイントがつきます。仮に盗難に遭った時も現金はなかなか戻って来ませんが、クレカは不正利用されても比較的簡単に補償してもらえるなど、保険の意味合いもあります。車の運転ができなくなり思うように外出できなくなる将来を見据えても、ネットショッピングの手段として1枚は欲しいですね」(同前)