2020年11月にコロワイドグループ傘下となった定食チェーン『大戸屋』がこの3月から、新しいグランドメニューの提供を一部の直営店で開始した。6月までに全国の店舗で導入する予定だという。
今回のメニュー改定では『豆味噌デミグラスソースのハンバーグ定食』(940円、税込み、以下同)や『牛プルコギの彩りサラダボウル定食』(890円)などの新メニューが登場しているが、それ以上に目玉となっているのが、いくつかの既存メニューの値下げである。
たとえば、定番の『大戸屋ランチ定食』は790円から50円値下げされ740円に、『さばの炭火焼き定食』も50円の値下げで890円から840円となった。さらに、『豚の生姜焼き定食』にいたっては、890円から790円に100円も値下げされている。一方で、820円から840円になった『ばくだん丼』など、値上げとなったメニューもあるが、全体では平均して20円ほどの値下げとなっている。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏は、こう話す。
「外食チェーンで値下げをするということ自体が珍しいのですが、なかでも『豚の生姜焼き定食』の100円値下げには驚きです。材料やボリュームの見直しもあるとは思いますが、それでも思い切った値下げであることは間違いないでしょう。また、豚の生姜焼き定食というと、どの定食店でも提供されている定番メニューであり、100円値下げしたとなれば、それなりに販売数も増えるのではないでしょうか」
とはいえ、大戸屋の『豚の生姜焼き定食』の790円という新価格は、他のチェーンと比較すれば、とりわけ安いわけではない。例えば、定食チェーン『やよい軒』の『しょうが焼定食』は640円。しかもこちらはご飯のおかわりが自由となっている。
「大戸屋の場合、ご飯の大盛りは自由ですが、おかわりはできない。何杯もごはんを食べたいというなら、やよい軒のほうがお得です。ただ、やよい軒では『もち麦ごはん』への変更がプラス30円、『もち麦ごはん』の大盛りがプラス80円ですが、大戸屋では五穀米変更も、五穀米の大盛りも無料です。このあたりは差別化していると言えます」(小浦氏)