ファストフード化は受け入れられるか
では、今回のメニュー改定について、ユーザーはどういった印象を受けているのだろうか。月に1回程度の頻度で大戸屋に行くという、30代の男性会社員・Aさんはこう話す。
「私の場合、定食チェーンに行くなら、まずやよい軒、その次が大戸屋。やよい軒ではしょうが焼きを食べることも多いのですが、大戸屋では『すけそう鱈と野菜の黒酢あん定食』(920円)とか、『バジルチキンサラダ定食』(940円)とか、『チキンかあさん煮定食』(890円)など、“大戸屋ならでは”のメニューを頼むことが多いです。でも、大戸屋がしょうが焼きが100円値下げするんだったら、確実に選択肢に入ってくると思います」
しかし、Aさんは、大戸屋に対して少々の不満もあるという。
「お客さんが多い時間帯だと、料理が出てくるのがちょっと遅いなと感じることがあって、すぐ食べたい時は、ちょっともどかしい。大戸屋の場合、食べ放題のお漬物があるので、それでどうにかつなぎますが」(Aさん)
今回のメニュー改定は、調理時間の短縮という狙いもある。大戸屋というと、「店内調理」が基本だったが、一部の仕込みなどにおいてセントラルキッチンを導入し、調理の効率化を図っている。それによって値下げも可能になったわけだ。
「やよい軒などの定食チェーンや、牛丼チェーンに比べて、落ち着いた雰囲気で女性でも利用しやすいというのが大戸屋の大きな特徴です。だからこそ、料理の提供時間が多少遅くても許容されていたという部分はあると思います。
ただ、今回のメニュー改定に伴い30秒~1分程度の調理時間短縮が見込まれるとも言われており、本当にこれが実現されれば、大戸屋の弱点が克服されることになります。いわば、より“ファストフード”に近づいているともいえるわけです」(小浦氏)
「安く、早く」と積極的な改革を進めている大戸屋。果たしてファンはどう判断するのか。