現役時代は、子供の学校関係や給与の受け取りのために、指定口座を新たに開設することもあっただろう。しかし、60才を過ぎたら新規口座の開設はおすすめしない。複数の口座を持っている人も、早めに整理しておこう。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。
「最近はネットで簡単に開設でき、通帳がない証券会社や銀行もありますが、亡くなったら誰にも気づかれず、ほったらかしになってしまいます。60才を過ぎたら、口座は把握しやすいように、できるだけコンパクトにしておくのが鉄則。銀行の中には、解約するために開設した支店まで足を運ばなければならないところもあるので、元気に歩けるうちに済ませておきましょう」(山口さん・以下同)
コロナ禍が落ち着いたら、海外旅行へ出かけて、夫婦水入らずの時間を過ごす予定の人もいるかもしれない。長い現役時代を終え、羽を伸ばしたくなる気持ちはわかるが、気をゆるませてはいけない。
「退職金の使い道で多いのが、旅行と車の購入です。『元気に海外旅行できるのは最後かもしれない』『いい車に乗れるラストチャンス』と、フンパツする人も多い。本人たちにとっては、これまでがんばってきたご褒美なのでしょうが、現代は想像以上に老後が長くなりました。60代のうちに退職金を使い込んでしまうと、老後資金が足りなくなります」
老後を快適に過ごすためにも、財布のひもはゆるめてはいけない。
※女性セブン2021年4月8日号