人生100年時代において、まさに折り返し地点となる50才。健康やライフスタイルの面で、重要な節目となることも多い。女性であれば、閉経を迎える平均年齢は50.5才とされており、女性ホルモンの減少による不調も増えてくる。男性も同様に、体にガタが出てくるころだ。
一方、収入面でピークとなるのも50代だ。収入に余裕がある50代だからこそ、生活費については贅沢をやめて節約に励みたいところでもある。
ファイナンシャルプランナーで消費生活アドバイザーの丸山晴美さんは、50才になったら、「月26万円でできないことはやめる」ことをすすめる。
「50代は人生最後の“貯めどき”です。ここでしっかり節約を身につけて貯蓄や運用をしておかないと、老後資金が足りなくなる。やっておきたいのは、『年金暮らしのシミュレーション』です。夫婦合わせた年金受給額の平均は約26万円ですから、その予算で本当に暮らせるか実践してみてください。すると、いまの生活にいかにムダが多いのかが見えてくる。
その浮いたお金を預貯金や投資に回すと、50才から定年までの10年で、当初の予定の数倍、老後資金として蓄えられます」(丸山さん)
50才から始めた節約は、70才からの生活を充実させる。リタイア後の暮らしは、現役時代のように切り詰めなくていいと丸山さんは言う。
「70代は体力的に無理がきく最後の年代ですから、ムダな買い物さえしなければ、旅行へ行ったり、おいしいものを食べたり、自分を労うお金の使い方をした方がいい。厳しい節約はもうやめて、『記憶に残るお金の使い方』をしましょう」
お金の使い方に人生そのものが表れる。
※女性セブン2021年2月18・25日号