施設ならば安心かというと、人によっては不幸になるケースもある。辻川さんが言う。
「高齢者施設の最大の目的は、『入居者を安全に管理すること』です。そのため、自分のやりたいことがすべて自由にできるわけではありません。『お菓子ひとつ自由に食べられない』と施設を退所し、95才になってもひとり暮らしを続けている人もいます。施設は、『最後の避難場所』としてありがたいところですが、認知障害で迷惑行為や法律違反を犯すほどでないのなら、最善の選択とはいえません」
いずれにしても、大切なのは地域住民とのかかわりを絶って孤立しないこと。家の中に閉じこもるような老後は避けよう。
※女性セブン2021年4月8日号