その中には、「車間距離を保たない異常な接近」「必要がない急ブレーキ」「禁止されている急な進路変更」「左側からの追い越しや無理な追い越し」等の典型的なあおり運転のほか、「高速道路での最低速度に違反したノロノロ運転や駐停車」などがあります。また、灯火についても「ハイビームを継続するなど減光義務に違反する行為」も含まれます。
妨害運転であるというためには、あなたの車の通行を妨害する目的であったことが外見上明らかで、通行の危険を感じる程度であることが必要です。パッシングして追い抜く行為については、その追い抜き方が左側からの追い抜き、あるいは無理な追い抜きといえるものでなければ該当しません。停車して道をふさいでも、高速道路上でなければ妨害運転にはなりません。
しかし、車間距離を取って走行しているときに、突然割り込んで急ブレーキをかけられて追突しそうになったり、ハンドルを切れば別の車や人などにぶつかる危険もあったとすれば、妨害運転に該当する可能性があります。
刑事訴訟法では、公務員は職務に関して犯罪を疑ったときは告発する義務がありますが、それ以外は、「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる」と定められています。警察に届け出る義務はありませんが、今後の事故が心配であれば、警察への情報提供は有益なことだと思います。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2021年4月8日号