両社が「糖質ゼロビール」に意気込むのは、今後のビール界を牽引する大きなトレンドになると見ているからだ。
『サントリー対キリン』『ビール15年戦争』などの著書があるジャーナリストの永井隆氏が言う。
「コロナ禍で外食が減り、ビール市場の3割を占める業務用ビールが縮小するなか、各社とも家庭用ビールに力を入れ始めている。家庭で飲まれるビールのトレンドは“健康志向”で、糖質やプリン体などを抑えた商品が今後の主流になってくるでしょう。
さらに酒税法改正で2026年までにビール、発泡酒、新ジャンルの税額が同じになる。相対的にビールが安くなり、今後の主戦場になる可能性が高い。それを見越して、家庭用ビールに強いキリン、サントリーが糖質ゼロビールの開発を急いだという構図です」
※週刊ポスト2021年4月16・23日号