春は新生活の季節。そんな節目の時期に多くの家庭で話題となるのが、子供の習い事をどうするか、という問題だ。各家庭で悩みはつきものの子供の習い事事情について、3人の母親にフリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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子育て中の母親たちの間では、進学や進級の季節が近づくと「子供の習い事」が話題になることが多い。
全国のお出かけ情報や子育て情報を発信するインターネットサイト「いこーよ」が小学生以下の子供を持つ全国の保護者873名を対象に行った「習い事に関するアンケート」調査(2020年2〜3月実施)では、〈5歳児の時点で既に2人に1人が習い事をしているという結果〉が出た。
同調査では、基礎体力作りが期待できるといわれる「水泳」や、小学校から必修化された「英語」が人気の習い事として挙げられている。回答者の中ではまだ少数派だが、最近では小学校から授業への導入が始まった「プログラミング」も注目を集め始めているようだ。
埼玉県在住のパート主婦、佐藤和子さん(仮名・29歳)は、幼稚園と提携している習い事を活用し、4歳の娘をピアノ、英語、水泳の3つに通わせている。
「幼稚園が終わった後、そのまま習い事に連れて行ってもらえるので大変助かります。しかも幼稚園と提携しているので、3つの月謝が総額で1万円程度というのもとても嬉しいです」(佐藤さん)
習い事にかかる費用は家計の中でも重大な要素だ。2017年にベネッセ教育総合研究所が行った「学校外教育活動に関する調査」によると、未就学児の月謝の平均額は、年少(4歳)で4800円、年中(5歳)で7900円、年長(6歳)で9800円だった。この他に、交通費や教材費などもかかるため、実際の負担はもう少し大きくなる。
佐藤さんの娘が通う幼稚園では外部の専門講師による本格的な習い事が受けられ、地域では人気のある幼稚園とのこと。佐藤さん自身、入園願書を手に入れる時は相当大変だったという。
「リーズナブルな月謝なのに、本格的なレッスンが受けられるのは魅力的。卒園生の中にはプロの道を目指している子もいるとの話も聞きます。どうしても入園したかったので、願書をもらいに朝5時から幼稚園の前に並びました。幸い、夫の協力があったからこそできたことですが、もしそれがなかったらここには入園できていなかったと思います」(佐藤さん)