投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月5日~4月9日の動きを振り返りつつ、4月12日~4月16日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は小反落した。米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことから、経済活動正常化への期待が高まり週初の日経平均は堅調スタートを切ると、終値で3万円を回復した。祝日明けの米国市場では、雇用統計のほかISM非製造業景況指数が過去最高を記録したことで経済の先行き期待が一段と高まった。一方で国債利回りが低下したことから主要株価指数は大きく上昇した。ただ、欧米市場が休場だった間に既に大幅に上昇していた日経平均は3万円を回復した目先の達成感もあって6日は反動安の展開に。
7、8日は決定的な材料難のなか今後本格化してくる決算を前に様子見ムードが台頭。商いも膨らまないなか機関投資家による期初の益出し売りなどが重しとなった。ただ、市場心理が悪化するほどの悪材料もなく、指数はこう着感を強める展開に。週末9日は、薄商いのなかオプション4月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買が買い越しだったこともあり、一時は3万を回復する場面もあった。しかし、前日に決算発表したファーストリテ<9983>が朝高後売りに押される展開となったことで、その後の日経平均は上げ幅を縮める展開となった。
今週の日経平均はもみ合いか。4月になって新年度相場入りともなれば期末のリバランス売りや企業の政策保有株の売却が一巡する一方、新規資金の流入により需給が改善し一段高との強気の見方が大勢ではあったが、どうやら需給主導での相場局面にはなりづらい構図が浮かび上がってきた。
先週については、近年見られるようになった機関投資家による期初の益出し売りが重しになっていたとの指摘が聞かれた。決算を見極めたいとする様子見ムードが強い中でそうした需給面での重しがあったとすれば、その期間に日経平均が横ばいに終始したことは底堅いとも評価できる。ただ、これまでのような、需給面の改善が相場を押し上げるとまでの強気な見方には再考が必要か。