投資情報会社・フィスコが4月12日~4月16日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は底堅い値動きか。堅調な米経済指標を意識してドル選好地合いは継続しそうだ。4月7日に公表されたFOMC議事要旨(3月16-17日開催分)によると、足元は改善の方向だが、「新型コロナウイルスの打撃で経済の先行きは依然として極めて不確実」との見解で一致していたことがわかった。この内容を受けて早期利上げ観測は大幅に後退しており、米10年債利回りはさらに低下する可能性があるが、米国経済が世界をけん引する状況に変わりはないとみられる。国際通貨基金(IMF)が4月6日公表した世界経済見通しでは、米国経済の強い回復が寄与するとの見方が示されている。
今週発表のインフレや個人消費に関する経済指標は、IMFの経済見通しを反映した内容になると期待されている。3月消費者物価コア指数(コアCPI)と3月小売売上高は、いずれも前回実績を上回り、今月29日発表予定の1-3月期国内総生産(GDP)の伸びに寄与すると予想される。FOMC議事要旨では、足元の金利高について「経済見通しの改善を反映したもの」とのスタンスを維持しており、長期金利は下げづらいだろう。経済指標が堅調ならアジア、欧米諸国の株高要因となり、リスク選好的な円売りが強まる可能性がある。
【米・3月コアCPI】(13日発表)
13日発表の米3月コアCPIは、前年比+1.6%と、2月実績の+1.3%を上回る見通し。市場予想と一致した場合、米長期金利は下げ渋り、ドルは底堅い動きを保つ可能性がある。
【米・3月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の3月小売売上高は前月比+5.0%と、2月の同-3.0%からの反動により大幅改善が見込まれる。1-3月期国内総生産(GDP)への寄与に期待が高まれば株高に振れ、金利高につながった場合はドル買いを誘発しよう。