不要不急の外出自粛という「巣ごもり」モードが続き、ファッションへの投資が停滞するなか、女性向けファッションブランドでは、インスタライブを使ってその活路を見出そうとしている。ネットメディアに詳しい記者・Aさんは、こう語る。
「若い女性に人気のブランドの多くが、インスタライブを活用して新作商品の紹介やコーディネート紹介を行っています。メリットはチャット欄に寄せられるブランドファンである消費者からのコメントを、その場で掬い上げられること。ショップ閉店後の店舗などで行われるインスタライブでは、『そのトップスの赤色が見たいです』『このコートのコーディネートが見たいです』といった要望に、スタッフがすぐに応じることができます。
かつて、『渋谷109』が一斉を風靡していた時代は、ギャルブランドの『EGOIST(エゴイスト)』や『CECIL McBEE(セシルマクビー)』には、“カリスマ店員”と呼ばれる人たちがいました。109のギャル店員ブームは終わったものの、最近では店舗スタッフがインスタアカウントを開設し、インスタライブを通じて消費者と交流する機会も目立つようになりました。『○○さんに会いにルミネに行く!』といったファンも増えているようです」(Aさん)
インスタライブを使ったライブコマースが、実際に消費につながるケースは多い。ギャルブランドに詳しいライター・Bさんが語る。
「インスタライブを積極的に利用しているブランドは、取り上げた商品が発売して数分でソールドアウトすることも珍しくありません。人気店員やブランドの代表者が、インスタライブでコーディネート紹介をしたりすることで、ファンにとっても『私も欲しい』と消費意欲を喚起されやすい。特に店員が実際に自腹購入したアイテムは『リアルバイ』と呼ばれて人気で、『○○さんのリアルバイを教えてください』と聞く消費者も多い」(Bさん)