住まい・不動産

地方移住体験者が語る仕事面での障壁 稼げる仕事少ない、最新情報入手も困難

ひとりで移住して家にこもって仕事していると近所の目が…(イラスト/ドナ)

ひとりで移住して家にこもって仕事していると近所の目が…(イラスト/ドナ)

 交通網やインターネットの普及・発達で都会と地方の差が縮まり、移住ブームが起きた。また高齢化や空き地問題の解消を目的として、地方自治体も補助金を積極的に出した。そして昨今、コロナ禍で奨励されたテレワークと相まって、移住ブームが再来しつつある。だが、そこには甘くない現実が待っていた──。

 約3年前に大阪府から島根県松江市に移住。IT業の傍ら、『婿養子の島根移住ブログ』を運営、10万人の愛読者を持つ会社員兼ブロガーのはまちゃんさんが語る。

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 田舎は仕事の求人数が圧倒的に少ないです。また、稼げる仕事を探すのは至難の業でしょう。私が住む地域では、工事関係や製造業、運送業、介護系の求人がほとんどで、公務員や銀行員は勝ち組といわれています。

 私は幸い、IT関係の会社に勤めながら、個人でブログを運営したりしていますが、これはこれでまた問題がありまして……。田舎ではなかなかフリーランスという働き方を理解してもらえないんです。一日中、家の中に閉じこもって仕事をしていると、「あの人、ひとりで移住してきて家に引きこもっているけど、なんかアヤしい仕事でもしているんじゃないかしら」というような目で見られてしまうこともしばしば。

 また、田舎は情報が集まりにくいので、エンジニアや保険の営業マンなど最先端の情報を要する職業のかたは、生きた情報をリアルタイムでキャッチするのが難しいという話もよく聞きます。

 それと、これは私のケースではなく、Uターンで戻ってきて地元で美容室を開店したかたの話ですが……開店にあたって、販売促進の目的でホームページを作ったそうです。すると、地元の同業者から「そんな広告を出してうちのお客さんを取る気だろう」「そういうことをするならまず話を通しに来てから行うのが筋じゃないか」などとキツく言われてしまったそうです。

 ホームページを開設することは企業努力ですから別に咎められる話ではないと思いますが、地域のコミュニティーがすでに出来上がっているところでは少し勝手が違うようです。その土地土地にキーマンと呼ばれる実力者がいたり、独自のルールがあったりするので、何かを始めるときには、それらをあらかじめ知っておくことやキーマンへの根回しが大切だと思います。

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