今週は決算のほかイベントが盛り沢山だ。まず、週初から半ばにかけて日銀の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。前回の金融政策会合では上場投資信託(ETF)の買い入れ方針に変更があり市場に影響を及ぼした。先週20日には、前場の東証株価指数(TOPIX)の下落率が1.25%だったにもかかわらず、ETF買いが実施されなかったことで政策不透明感が高まった経緯もある。今回の会合で何らかの追加発言があるか注目だ。
FOMCではこれまで同様に緩和政策持続の従来方針が繰り返されそうだ。市場ではテーパリング(量的緩和縮小)の議論が6月頃から始まるとの声も聞かれているが、さすがに今回の会合ではないだろう。大勢は決算シーズン本格化するなか日米ともに金融政策イベントは大きな影響力を持ちにくいと思われる。
一方、28日のバイデン米大統領の議会演説は注目だ。バイデン政権は株式譲渡益課税を従来の約2倍に引き上げる考えと報じられたことで週末の株式市場には売りが広がった。共和党のほか民主党内の一部からの同意も必要で成立する可能性は低いが、相場が軟調になってきているタイミングであるため神経質に反応しやすい。仮に成立するとしても来年1月以降になることから相場が大きく深押しすることはないだろう。しかし、買い手は決算のほかこうした地合いも考慮した方がよいだろう。
そのほか、東京市場は土日を挟んで翌水曜日(5月5日)までがゴールデンウイーク(GW)で休場となる。連休中の海外市場の動向など空白リスクを警戒して積極的な売買は手控えられるほか、信用買いなどを手仕舞う動きも想定され、注意が必要だろう。
4月に入ってから物色の方向性が定まらない難しい相場になっている。3月まで力強く上昇してきた景気敏感株は上昇一服感と共に高い決算ハードルなどが控えており上値が重い。復調の兆しが見えていたグロース(成長)株もその後対照的に大きく買われているからといえばそうでもない。強かった半導体についても今や決算を確認するまでは動けない。
一方、旅行や鉄道、百貨店などのアフターコロナ関連も新型コロナ変異種の拡大で不透明感強く積極的には買えない。完全に買い手控えムードだが、こうした時期にこそ、先んじて決算発表済みの銘柄のなかで、内容が良好にもかかわらず足元の地合いで売りに押されていた銘柄を宝探し感覚で掘り当てたい時期といえよう。
今週は26日に日銀金融政策決定会合(27日まで)、米3月耐久財受注、27日に黒田日銀総裁会見、米FOMC(28日まで)、米4月消費者信頼感指数、28日パウエルFRB議長会見、バイデン米大統領の議会演説、29日に米1-3月期GDP速報値、30日に3月失業率、3月鉱工業生産、中国4月製造業PMI、などが予定されている。