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居酒屋の「感染症対策料」徴収が腑に落ちない 法的に払う根拠はあるか

 しかし、コロナ対策費用の客負担は一般化していません。張り紙でもなければ、その分の支払いについて客との意思の合致はなく、店は対策費用を請求できません。

 とはいえ、居酒屋は食品衛生法の定める食品等事業者で、注文品の提供義務の他に、もともと食料品や調理について良好な衛生状態を保ち、健康被害を生じさせないようにする付随的義務があります。

 厚労省からも、顧客のコロナ感染リスクを少なくするために、接触感染予防に必要な清掃を念入りに行なうことを求められています。手間だけでなく、消毒薬の購入やアクリル板の設置など、店経営のコストが増えているはずで、客への転嫁はやむを得ないと思います。

 なにより感染症から、顧客を守るための費用でもあり、そこは気持ちよく支払ってあげてください。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2021年5月7・14日号

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