新型コロナウイルスの感染拡大によって、日常生活も大きく変化した。昨年4月の1回目の緊急事態宣言発出以降、できるだけ外出を控えることが求められ、買い物に出かける回数が減るとともに、ネット通販を活用した“まとめ買い”や“箱買い”が定着したという人も多いだろう。だが、お得に見えるまとめ買いにも“落とし穴”が潜んでいるようだ。
都内に住む会社員の広瀬さん(仮名、30代男性・独身)は昨年4月以降、自炊をする機会が増えたことで、まとめ買いの習慣がついたという。
「もともとまったく自炊をしておらず、外食か弁当を買ってくるかだったんですが、緊急事態宣言で、レトルトの白米と缶詰とかを利用した、簡単な自炊をするようになりました。以来、レトルトの白米を箱買いしています。あと、毎日500mlのペットボトル飲料を1~2本飲んでいるんですが、それも箱買いしています」(広瀬さん)
まとめ買いをしたほうが割引などもあって安上がりになりそうなものだが、必ずしもそうではないという。
「僕が愛飲しているペットボトル飲料は、近所のスーパーで買うと1本当たり85円くらい。でも、ネット通販で買うと1本100円くらいのことが多いんです。しかも単価が安い場合は送料が高い。いずれにしろ、ネット通販で箱買いするよりも、スーパーで買ったほうが安いんです」(広瀬さん)
それなのに、あえて「箱買い」するのはどうしてなのだろうか。
「毎日のようにスーパーでペットボトル飲料を数本買うのは、荷物も重くなってしまうし、やはり面倒くさい。箱買いの価格には、家まで運んでくれる手間賃が乗っかっていると考えています。あと、スーパーだと、商品の取り扱いをやめたり、売り切れていたりする可能性もある。そうなったらやはり、ネットで箱買いするのが確実なんです」(広瀬さん)
ネット通販では賞味期限がわからない
一方で“季節もの”の商品を箱買いして、失敗するケースもあるようだ。都内に住む会社員・堀江さん(仮名、30代女性・既婚)が、自身のエピソードを明かす。