家計

安物大量買いは買い物依存への一歩 「倹約脳」をどう育てるか?

「ムダづかい脳」を叩き直す9の法則

「ムダづかい脳」を叩き直す9の法則

「外出自粛中だから」と、通販にネットスーパー、デリバリーサービスをフル活用。「久々の買い物だから」と、洋服や日用品を大量購入……毎度のことながら、後悔先に立たず。何度も繰り返してしまうそのムダづかい、実は「脳」を変えればやめられるのだ。

 ついつい100円均一やディスカウントショップで買いすぎてしまう人は多いだろう。安物買いの銭失いばかり繰り返していると、欲しいものを手に入れることではなく「買うことそのもの」が喜びになり、買い物依存症になる可能性もある。脳神経外科医の菅原道仁さんが解説する。

「ウインドーショッピングをしていて“素敵!”と思ったとき、脳ではドーパミンという快楽物質が出ています。これは恋をしているときや難しい課題に直面しているときにも出るホルモンで、本来は目標を達成する意欲を起こすためのもの。狙っているものを手に入れたり問題を解いたりして達成感を味わうと、ドーパミンによって脳の報酬系が刺激されて快感を得ます。

 しかし、この快感は一時的なもので、しかも依存性がある。これが衝動買いを繰り返す原因になります。その場で欲しいと思っても買わずに帰って、それでも3回、欲しいと思ったら買ってもいいなど、ルールを決めましょう。本当に必要なら、何日経っても欲しい気持ちが消えないはずです」

「安いからといって買いすぎてしまう」という人は、あらかじめ買い物メモを用意して、書いてあるものを買ったらすぐに立ち去るなど、脳を落ち着ける習慣を持つといい。

 そもそも、こうした低価格帯の店内がごちゃごちゃしたレイアウトになっているのも、実は「あえて」だ。迷いながら目的のものや魅力的な商品を見つけると、“こんなに探したのだから、買わないと損”と思ってしまう。脳科学者の杉浦理砂さんが言う。

「目的の商品が簡単には見つからないようにすることで客の動線と滞在時間を延ばし、目に留まる商品を増やしています」

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