もしもの時に備える生命保険は、残された家族にとって重要なものだが、保険料が高いと感じる人もいるだろう。保険を選ぶときは、どのようなポイントに注意すればよいのだろうか。ほかの多くの買い物と違い、保険に限っては「安かろう、よかろう」が常識だという専門家の声もある。
「保険は、掛け捨ての中から安さで選ぶべきです。重視してほしいのは、『保険料』と『保険期間』。一生涯保障されるならその分保険料は高くなるし、10~20年間の短期のものなら安く済む。
次に、保険の目的も重要です。例えば、自分が死んだときの葬儀費用なら、200万円もあれば足りる。貯蓄でまかなえることがほとんどなので、そのためだけにわざわざ保険に入る必要はありません」(ファイナンシャルプランナーの横川由理さん・以下同)
一方、お金に困っていない人の中には、「一時払い終身保険」といって、20年分の積立保険料を一括で払う人も。保険料を一時払いすれば、その後は一生涯の保障が得られる仕組みだ。いずれにせよ、「支払う保険料を安く済ませる」のが、保険の鉄則だと心得よう。
特約をつけるより就業不能保険か共済を
死亡保険、医療保険を強化する「特約」も、あれこれつければその分保険料が割り増しになる。
「まず、保険に入る前に“総額でいくら保険料を支払うことになるのか”を考えてください。必ず起こるかどうかもわからない病気や事故に備えて、毎月膨大なお金を払って生活が苦しくなっていては本末転倒。それなら、そのお金を貯蓄や投資に回した方が安心です。また、保険は数年に1回は新しいものが出ます。1つの保険にいくつも特約をつけると見直しが面倒なので、できるだけシンプルに」
若くて独身なら、自分が死んだときに備える死亡保険よりも、病気やけがなどで働けなくなったときに備える「就業不能保険」に入っておく手もある。また、月々2000円で病気、けがによる死亡や入院もカバーされている、都道府県民共済グループの「総合保障2型」も注目だ。
「使わなかった掛け金の3割ほどは割戻金として戻ってくるので、実質的な掛け金はグッと安くなります」