騒音やたばこのにおいなど、さまざまなご近所トラブルに悩む人は多い。注意をしたくても、それがさらなるトラブルに発展する可能性も大きく、うかつに声もかけられない。たとえばマンションの隣にあるコンビニが悩みの種の場合、どう対処したらよいのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
私はマンションの2階に住んでいます。隣にコンビニがあるのですが、時間帯にかかわらず、そこの駐車場で大声で話す学生が多く、困っています。窓を開けているときは、話し声はもちろん、たばこのにおいも気になります。
コンビニの店長に苦情を言い、駐車場で大声で話したり、たばこを吸わないよう張り紙をしてもらっていますが、一向に改善しません。どうしたらよいのでしょうか。(東京都・45才・パート)
【回答】
騒音規制法という法律がありますが、その規制対象は、騒音を出す特定の機械を使用する工場や建設工事、自動車騒音で、コンビニの駐車場の騒音は対象外です。
しかし、環境省が環境基本法に基づいて、健康上望ましくない騒音の基準を地域や時間帯で区分し、例えば主に住宅が立ち並ぶ地域では夜間は45デシベル(dB)以下と定めています。具体的には、40dBが閑静な住宅地の昼、50dBは静かな事務所内程度とされているので、45dBはその間ということでしょう。
環境基準を具体化するのは自治体ですが、その対応はさまざまです。店の営業が誘因となって発生する店外の人声や自動車の発着音等を外部騒音と定義し、夜間外部騒音による公害が起きないよう努力する義務を事業者に課し、場合によっては営業時間の変更を命じるという条例もあります。
しかし、ここまで厳しく規制している例は少ないと思います。しかも、この条例でも規制対象は、飲食店のほかカラオケハウスなど音を出す店と店舗面積500平米以上の大型小売店であり、普通のコンビニの駐車場は規制の対象外です。