「新型コロナのことがあってから、いつ何が起きてもおかしくないのだと実感して、改めて“私は死んだ後どこに入るんだろう”と考えました。その結果、やっぱりお墓はいらないと思ったんです」
女優の遠野なぎこ(41才)がコロナ禍で考えていたのは、「自分が最期を迎えた後に眠る場所」。熟考した末にたどり着いたのは墓石を建てる従来型のお墓ではなく、樹木を墓標として遺骨を埋葬する「樹木葬」だった。
「20代で家族と絶縁していることもあり、祖先のお墓がどこにあるのかわかりません。自分ひとりのために墓石を建てる必要性を感じられないし、樹木葬ならば建てた後のお手入れも必要ないため、誰にも迷惑をかけないで済む。ペットと一緒に入れるところも多く、長年連れ添ってくれた猫とずっと一緒にいられるのも大きな理由です」(遠野)
いまは樹木葬の費用や場所についてリサーチを進めているという遠野の決意を後押ししたのは、2019年1月に亡くなった市原悦子さん(享年82)の最期だった。
「大女優で、本来ならば立派な墓石を建てるような市原さんも樹木葬を選んだと聞いて、衝撃を受けたし、やっぱり素敵な方法だと思ったんです」(遠野)
遠野や市原さんのようにお墓を望まない人は増えており、宮崎美子(62才)は終活をテーマにした雑誌のインタビューで、「何も遺言しなければ、家の代々のお墓に入ると思いますが、お墓はなくてもいい。宇宙に飛ばしてもらうのも素敵だと思いますが、スペースデブリ(宇宙ゴミ)になったら迷惑がかかるかな」と語っている。
国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)のナレーションなどで知られるキートン山田(75才)も、過去のインタビューで「子供や孫たちには自分のお墓はつくらない、と伝えている」と公言した。