コロナ禍で、通勤などの移動を公共交通機関からマイカーに変更する人が増えた結果、思わぬトラブルに悩まされる人も少なくないようだ。55才パート女性は、隣家に住む住民がマイカー通勤に切り替えたことで、その騒音と排気ガスの被害に頭を悩ませているという。そのトラブル実例を紹介するとともに、どう対処すべきか専門家にアドバイスを聞いた。
【実例】
コロナ禍で、バスや電車での移動は感染リスクが高いとされたせいか、隣家の若夫婦がマイカー通勤に切り替えたんです。それは構わないのですが、問題は車種。古い外車を改造しているようで、マフラーがすごく大きく、エンジンをかけると爆音が……。
平日は朝5時に出かけ、夜は23時頃に帰ってくるという勤勉な夫婦なのですが、こちらが寝ている時間なのでうるさくて仕方がない! 何より困るのが、隣家のガレージに隣接しているうちの塀の一部が排気ガスで真っ黒に汚れること。壁の修繕費、請求してもいいですかね。(55才・パート)
【対策】駐車の仕方を相談するなど納得のいく解決法を探り合おう
このようなケースでは、話し合いが有効だという。銀座さいとう法律事務所の弁護士・齋藤健博さんが語る。
「車の排気ガス、騒音問題も、裁判で争うケースが多々ありますが、“受忍限度”の線引きが難しく、訴えても負ける可能性が高いんです。この場合、話し合いで解決するのが得策。管理会社か弁護士に相談をして、排気ガスが壁にかからないように前向きに駐車をしてもらうよう相談するか、防音壁を設置するのもおすすめ。話し合いのとき、弁護士に立ち会ってもらうと、工費の配分相談などもしやすいはず」
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年6月3日号