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【日本株週間見通し】今週の日経平均はもみ合いながらも堅調な展開?

 一方で、早期の金融引き締めへの思惑が、インフレ懸念の後退に繋がり、商品市況で進んでいた過度なリフレトレードの後退に寄与した。加えて、再び1.7%を捉えるところまで上昇していた米10年物国債利回りも、過度なインフレ懸念が一服したことで、その後は1.6%台前半での落ち着いた動きとなっている。

 そのほか、稀に見る乱高下で市場を動揺させた暗号資産(仮想通貨)相場も、いったんは落ち着きを取り戻してきている。

 4月の安川電機<6506>の決算から始まった、ガイダンスショック、5月に入ってからのインフレショック、仮想通貨ショックなど、この2カ月間で市場は多くの波乱要因を経験し、それを株価に折り込んできた。これまでの波乱要因が完全に払拭されたわけでなく、この先も注意を払うことが必要だが、目先は、相場は落ち着いた動きを取り戻すことが想定される。

 実際、先週の日経平均は28000円台で値固めする動きが見られた。19日および20日は、28000円を度々割り込んでは、すかさず切り返して同水準を回復し、ここが当面の下値めどと思わせるような動きだった。一方、18日、21日には、28500円に近くづく場面では何度も戻り待ちの売りに押され、上値の重さも同時に感じさせた。

 今年に入ってから急落前の5月上旬までの日経平均の価格帯別累積売買高をみると、29500円近辺に最も商いが集中していて、続いて、29000円、28500円となっている。そのため、28500円に近づいては上値を抑えられるという、戻り待ちの売りをこなすフローをしばらくは辛抱強く続ける必要がありそうだ。

 一方、最新の投資主体別売買動向によると、日経平均が3日間で2000円を超す急落をみせた5月第2週(5/10~14)に、海外投資家は現物・先物の合算で1兆円弱、日本株を売り越していた。そして、そのうち6割程が将来的な買い戻しを伴う先物だった。買い圧力がこの先に残されているという点はネガティブな中でもポジティブに捉えたい(むろん、買い戻し要因が出てこなければ、限月乗り換え(ロールオーバー)されるだけではあるが)。

 しかし、日本株の欧米株に対する出遅れ要因とされてきた、新型コロナウイルスワクチンの接種についても、ようやく僅かながら明るい兆しが見えてきた。2月17日に医療従事者向けに始まったワクチン接種は、4月12日から高齢者向けにスタート、5月24日からは東京と大阪の大規模接種センターでも始まる予定だ。ワクチン接種率の欧米諸国との歴然とした差が解消されてくれば、日経平均も当面のしこり部分と思われる28500円を超えて、海外勢による先物買い戻しを誘発できるかもしれない。

 週間イベントとしては、26日に予定されている米半導体大手エヌビディアの決算に注目したい。先週発表された米同業大手のアプライドの決算は、2-4月実績および5-7月期見通しともに市場予想を上回り、半導体市況の活況を改めて見せつけた。ただ、業績が強すぎるがあまりに、ピークアウト感も意識され、発表直後の時間外取引では株価が一時下げに転じる場面も見られた。エヌビディアは半導体関連銘柄の中でも、特に注目度が高いため、決算と株価反応に注目したい。

 このところの日経平均の上値の重さには、半導体を中心とした値がさハイテク株が冴えないことも一因としてある。エヌビディアの決算を受けて、再び関連銘柄が強い動きを見せれば、日経平均の28500円超えの早期実現にも寄与しよう。

 今週は、25日に独5月Ifo景況感指数、米3月FHFA住宅価格指数、米3月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米5月CB消費者信頼感指数、米4月新築住宅販売、26日に企業サービス価格指数、27日に米1-3月期GDP改定値、米4月耐久財受注、28日に4月失業率・4月有効求人倍率、米4月個人所得・個人消費支出などが予定されている。

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