投資情報会社・フィスコが5月24日~5月28日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。直近で発表された製造業関連などの指標は予想を下回っており、米国経済の正常化を期待したドル買いがただちに強まる可能性は低い。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和政策縮小への思惑は消えていないため、リスク回避的なドル売りが大きく広がる状況ではないとみられる。FRBが5月19日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月27-28日開催分)によると、経済の急速な回復が進むなか、複数のメンバーは資産買入れ規模の段階的縮小(テーパリング)の議論をある時点で開始することについて言及していたことが明らかになっており、金融緩和縮小の早期実施の可能性を巡って投機的なドル売り・円買いはある程度抑制されるとみられる。
なお、すでに緩和縮小の可能性を打ち出しているカナダ中央銀行、豪準備銀行、NZ準備銀行の政策方針も注視される。市場関係者の多くは、これらの中央銀行は現行の金融緩和策を当面継続すると予想しているが、金融緩和策の早期見直しについて言及した場合、ドル売り材料となるため、注意が必要か。
【米・CB5月消費者信頼感指数】(25日発表予定)
25日時発表の米5月消費者信頼感指数は120.0と、4月の121.7を下回る見通し。ただ、指数の水準自体はまずまず高いとされており、市場予想と一致した場合、米国経済の早期回復を意識したドル買いの手がかりとなりそうだ。
【米1-3月期国内総生産(GDP)改定値】(27日発表予定)
27日発表の米1-3月期 GDP改定値は、速報値の前期比年率+6.4%を維持できるか注目される。市場予想を下回った場合、早期の景気回復期待はやや後退するが、ドル売り材料となるかどうかは、長期金利の動向次第か。
・5月24日-28日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(米)5月CB消費者信頼感指数 25日(火)午後11時発表予定
・予想は、120.0
参考となる4月実績は121.7に上昇。新型コロナウイルスのパンデミック直前の昨年2月以来の高水準だった。5月については、ワクチン接種進展やサービス産業の営業再開などが好感されそうだが、雇用情勢は大幅に改善されていないことやインフレ進行がやや警戒されており、信頼感指数はやや低下する可能性がある。
○(米)1-3月期GDP改定値 27日(木)午後9時30分発表予定
・予想は、前期比年率+6.4%
参考となる速報値は前期比年率+6.4%。巨額の財政出動と新型コロナウイルスのワクチン普及を背景に個人消費の伸びが加速したことが高い成長率につながった、改定値では一部項目で上方修正される可能性があるが、全体の数値は速報値と同水準となる可能性が高いとみられる。