コロナ禍で働き方にも変化が起こり、企業や業種によっては「テレワーク」が普及、定着化している。同時に、住まいに対する意識にも変化が起きているようだ。職場の近くに住むのではなく、郊外に引っ越すケースや、あるいは都市部と地方を行き来する「2拠点生活」も選択肢として注目されるようになった。現在、都心の自宅マンションで夫婦2人がテレワーク中という30代女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの働き方を大きく変えた。厚生労働省はテレワーク普及促進のためのポータルサイトを開設し、自宅など会社以外の場所での働き方を推進。東京都の調査によると、今年2月後半の時点で、58.7%の企業がテレワークを導入していることが分かった。
それに伴い、「住みたい場所」にも変化が起きている。今までは職場へのアクセスの良さなどから都心部に近いエリアが人気だったが、環境の良い郊外へ移住する人が増えているという。出社が週1〜2回程度であれば、通勤に片道1時間以上かかったとしても、それほど苦にはならないのかもしれない。
そこで注目を集めているのが、都心から離れた自然豊かな場所で過ごす別荘地での暮らしだ。近年は、都市部と地方を行き来して暮らす「2拠点生活」というライフスタイルも注目されている。
都内在住のIT関連企業勤務、臼井紗枝さん(仮名・34歳)は、自粛生活を機にそんな別荘地での暮らしに憧れ始めたという。臼井家は夫と3歳の息子の3人家族だ。
「現在は会社近くのマンションを借りています。家賃は共益費込みで約20万円。今までは利便性重視で考えていましたが、私たち夫婦の勤める会社では早い段階からテレワークになったこともあり、住居に対する考え方が変わってきたんです」(臼井さん、以下同)
臼井さんによると、コロナが収束してもテレワークは継続していく可能性が高いとのこと。そのため、都心に住む必要がなくなったと考えるようになったそうだ。
臼井さんの心を動かしたのは、ほかにもある。それは、子供が通う保育園のママ友・Aさんからのアドバイスだった。