「Aさんが『最近は別荘で過ごすことが増えたの。車移動なら安心だし、密も避けられるし最高!』と、話していました。しかも話によると、都市部では考えられないくらい安い物件もあるようです。当分の間は東京のマンションと別荘を行ったり来たりになりますが、状況によっては移住もアリだなって思いました。別荘でテレワークできたら素敵ですよね」
今まで考えたこともなかったという別荘のある暮らし。コロナ禍で外出しづらい状況から脱出できる方法が見つかったと喜んでいた臼井さんだが、夫に相談すると渋い顔をされたという。
「夫は、『別荘は贅沢だよ。うちには必要ないよ』と言いました。でもコロナ収束はいつになるか分かりません。それなら、別荘のある生活を早い段階で決めるのは賢い選択だと思いますけどね。目先のこと、自分のことしか考えていないのかと思うと、うんざりしちゃいます」
臼井さんの夫の主張は、別荘のある暮らし自体を否定しているわけではく、「自分たちの身の丈に合った生活ではない」というものだった。中古物件を安く買えたとしても、固定資産税などの維持管理費が発生する。また、臼井家は現在は車を所有していないので、その購入・維持にもお金がかかる。そうした金銭的な理由以外にも、コロナ禍で県をまたいで移動することに抵抗を持っているようだったという。
「別荘がダメなら、せめて広いマンションに引っ越したいです。決して広くはない空間での3人暮らしは、コロナ禍の暮らしには合っていません。テレワークになってから、作業効率が下がっている気もしますし……。夫との話し合いは続きそうです」
新型コロナウイルスの影響で、住まいに対する考え方を変化させた人は少なくない。それに伴い、家庭内での考え方にもズレが生じている人もいるようだ。