夫婦の家計を考えると優先順位が上がるのは「年金」だ。
年金は、“申請しないともらえない”が原則なので、もらい損ねがないように心がけたい。専業主婦だった妻の収入が基礎年金(満額で年約80万円)だけであれば、年金生活者支援給付金が受け取れる。「月額最大5030円」が死ぬまで受け取れるので、85歳まで生きれば老後資産が120万円増える計算になる。
「毎月の年金の受給額を増やす方法としては、受給開始を65歳よりも遅らせる繰り下げ受給があります。1か月遅らせるごとに0.7%の増額なので、70歳まで繰り下げれば42%も増える。60代以降もある程度の収入が見込める夫婦であれば検討に値する選択肢になりますが、早くに亡くなれば受け取れる総額は減ってしまう。一般的に女性のほうが長生きなので、奥さんだけが繰り下げ受給にして年金を増やすという考え方がバランスがいい」(星川氏)
夫が厚生年金を繰り下げると、年下の妻を扶養している場合に受け取れる加給年金(最大年額約40万円)がなくなり、人によっては損になるので、年金事務所などに依頼し、シミュレーションしてもらうといいだろう。
※週刊ポスト2021年6月4日号