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「友達だからタダで髪切って」って何様? 職業スキルを搾取する人への苛立ち

ネットで知らない人から「イラスト描いて!」

 あん摩マッサージ指圧師の資格を持ち、鍼灸師として働く30代男性・Bさんも、同様の“被害”にあうことがあるという。20代半ばに、当時勤めていたブラック企業に絶望して退職。その後、アルバイトをしながら専門学校に通って資格を取得した。

 Bさん曰く、親にはもちろんタダでマッサージするが、それはずっと育ててくれた感謝の意味合いもある。親しい友人は「プロにタダでは申し訳ない」とお金をしっかり払ってくれる。問題は、そこまで親しくない知り合いや親戚だという。Bさんが語る。

「本当に勘弁してほしいです。そんなに親しくない人ほど、『マッサージ師だったよね?』というスタンスで、『ひとモミ頼むよ』『ちょっとやって』『この辺が張ってるんだけど……』と、なぜか上から目線でお願いされる。やんわりと断ると『ケチ臭いヤツだな』と逆ギレされたり、『あいつはがめつい』などと吹聴されたりして。お金と時間をかけて専門学校に通って得たスキルなんだから、当然だと思うんですが」(Bさん)

 交友関係があるならまだしも、ネットでまったく知らない人から「タダ」を強要されることもあるという。

 デザイン会社に勤めるイラストレーターの30代男性・Cさんは、普段は書籍の装丁や挿絵、資料集などを手がける。プライベートでは女性や動物などを描くことが多く、SNSなどに投稿することもある。そんななか、ダイレクトメッセージ(DM)には、「こんなのも描いてほしい!」という依頼のメッセージがしばしば届くことを明かす。

「○○をこんなシチュ(シチュエーション)で描いて下さい」
「アイコン作ってほしいです。学生なのでお金ないんですけど、いいですか?」
「友人にお祝いイラスト描いてくれませんか?」

 これらのメッセージはすべてタダの依頼。内容を見てCさんが驚いたのは、「イラストをタダだと思っている人が世の中にはいる」ということだ。

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