コロナ禍で在宅時間が増えたこともあり、家庭用ゲーム市場が活況を呈している。ファミ通の調査によると、2020年の国内家庭用ゲーム市場規模は3673.8億円(前年比112.5%)で、ハード・ソフトともに前年比プラスとなったのは3年ぶりのことだという。
そうしてゲーム市場が活性化する一方で、ソフトを購入したのに遊べてない、「積ん読」ならぬ「積みゲー」がどんどん増えてしまっている人たちがいる。せっかく買ったのになぜ放置してしまうのか、積みゲーに悩まされている人たちの事情を探った。
スマホゲームに慣れてしまったので…
IT企業に勤める20代の男性・Aさんは、元々「PlayStation 4)を持っていたが、社会人になってから時間がとれず、友人に売却した。最近はスマホゲームのみをプレイしていたが、昨年5年ぶりに家庭用ゲーム機として、「PlayStation 5」を購入した。コロナで時間ができたこともあり、やる気満々でソフトもパッケージ版5タイトルとダウンロード版3タイトルを買ったが、全て途中でやめてしまい、放置状態だ。
「スマホゲームはイベントや更新が頻繁にあって、新鮮な気持ちでいられます。オート機能があるので効率的にプレイ可能ですが、“走り続け”なければならないプレッシャーはある。その点、家庭用ゲームは、自分のペースでプレイできるという魅力はあるけれど、“強制感”もないため、『今度にしよう』と積みゲーになりがちです。強い敵と戦うときも、課金ではなく自分のスキル頼りになる。
時間ができたので、もう一度家庭用ゲームを楽しめるかと思ったのですが、スマホゲームに慣れてしまうと、面倒でなかなか戻れない。今の僕には、効率的かつ尻を叩かれるスマホゲームの方があっているのかもしれません」(Aさん)