キャッシュレス派になった夫、現金派を貫く妻
夫のYさんは、これまで現金中心でやりくりする所謂「現金派」だったところ、コロナ禍を機に「キャッシュレス派」へと転向。一方で妻のMさんは、これまでと変わらず「現金派」とのこと。それぞれが、「キャッシュレス派」に変わった・変わらない背景には何があるのでしょうか。
――Yさんが、「キャッシュレス派」に変化したきっかけは?
Yさん:私は元々「現金派」で、財布も小銭がたくさん収納できるタイプのものを使って管理していたのですが、「キャッシュレス派」に変わったのは、去年の初夏くらいからです。
これまで買い物は自転車に乗って10分くらいの商店街に行っていたのですが、コロナ禍で自宅中心の生活になったこともあり、徒歩2分で行ける距離のスーパーやコンビニにシフトしたんです。店が接触を避けるためにキャッシュレス専用のセルフレジを導入していて、それを利用したのがきっかけで、どんどんキャッシュレスで支払うようになりました。今では支払い機会の8割以上がキャッシュレスです。
――現在、決済手段は何を使っていますか?
Yさん:クレジットカード2枚と、交通系電子マネー、コンビニの電子マネーを持っていますが、素早く支払える電子マネーを使うことが多いです。以前は都度現金でチャージしていましたが、使う頻度が増えたのでクレジットカードからオートチャージする設定に変えました。モバイル決済は、いちいち起動するのが面倒なので、自分は好きじゃありません。
――割引や還元のメリットを得やすいモバイル決済もありますが、速さが重要だと?
Yさん:そうですね。昨年からレジ袋が有料化されて、コンビニとかだと買った商品を自分でエコバッグに詰める人も増えてきました。その影響もあってか、行列に並ぶ時間が以前よりも長く感じるようになって。現金払いの人は余計モタモタしているように感じるし、自分もまわりからそう思われたくないので、ササッと素早く支払えることが大事だな、と思います。
――他にキャッシュレス化してよかったことはありますか?
Yさん:確定申告が楽になりました! 個人事業主なので、毎年の確定申告が結構大変なんですけど、会計管理ツールにキャッシュレスの決済手段を登録しておくと、支払い内容が自動的に反映されるんです。「現金派」の時は、いちいち明細を手入力していたので、劇的に楽になりました。もう「現金派」には戻れないです。
――なるほど。Yさんはだいぶ変わったようですが……、Mさん(妻)は、いかがですか?
Mさん:私は相変わらず「現金派」です。クレジットカードも交通系電子マネーも持っていて、コロナのこともちょっとは気になりますけど、お金のやりくりは極力現金でやりたいんです。毎月の食費など、封筒に入れて減り具合を見ながら管理しています。
――そこまで現金にこだわるのには、どんな理由があるのでしょうか?
Mさん:一番大きいのは、現金は「モノとして確かにそこに存在する」ということだと思います。電子マネーとかデータのお金は数字が並んでいるだけというか……、使った感じがないから浪費しそうだし、自分がすぐに使えるお金が今いくらあるか、常に知っておきたい。災害の時は現金が強いというし、キャッシュレス決済はシステムの不具合や乗っ取りのような心配もあります。