吉田みく「誰にだって言い分があります」

監視社会と化した地方都市、「好きな服も着られなくなった」20代女性の苦しみ

 母親からも、コロナが落ち着くまでは地味でシンプルな服装が好ましいとアドバイスされたそうだ。最初のうちは、自分の好みを貫くつもりでいたものの、最近はその気力も湧かなくなってしまったという。

「服装で判断されることの悲しさと、コロナの影響で収入が月2万円も下がってしまったことが理由です。お金もないし、趣味は否定された気分になるし……。私にとって生きがいを奪われたといっても過言ではありません。今まで優しく接してくれていた近所の人も、今は何を考えているのか、そして私のことをどう思っているのか……。考えれば考えるほど、心が苦しくなります」

 コロナをきっかけに好きな楽しみを失い、人間不信に陥ってしまったという松田さん。お金を使う機会も無くなり、かえって貯金額が増えているとのことだった。最近では、匿名で参加できるチャットルームに参加し、自分の気持ちや考えなどを吐き出して心を落ち着かせているそうだ。

 私たちの生活に大きな影響を与えている新型コロナウイルス。憶測で噂をしたり、今まで築いてきた人間関係に溝ができることには寂しさを感じる。こんな時だからこそ、思いやりの気持ちを忘れずに、日々を過ごしてほしい。

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