朝日新聞社は6月10日、朝夕刊の月極購読料を7月1日から363円値上げして4400円(税込み/以下同)、朝刊は407円の値上げで3500円にすると発表した。消費税増税を除いた価格改定は1993年12月以来、27年7か月ぶりだ。全国紙で価格を比較すると、読売新聞4400円、毎日新聞4037円、産経新聞(朝刊のみ)3034円、日本経済新聞4900円。すでに日本経済新聞は2017年11月、読売新聞は2019年1月に現在の価格に値上げ。各社が購読料の見直しに踏み切る中、朝日新聞も追随した形に見える。
ネットニュースが普及し、最新ニュースも無料で入手できる時代。値上げされても新聞購読を続ける人たちに“ネットニュースにはない”新聞ならではの魅力を聞いた。
出版社に勤める40代の男性・Aさんは、全国紙を購読している。きっかけは、中学時代の国語教師のすすめで新聞のコラムを読み始めたことだった。
「当時は、文章のお手本といえば新聞のコラムで、先生から毎日読むようにすすめられました。さらに高校時代の現代文の先生からも、『受験にも就職にも役に立つ』と言われ、読むのはもちろん、コラムを要約したり、それを元にした小論文を書いたりしていました」(Aさん)
現在、小学生の子供がいるAさんは、自身と同じ経験をさせている。
「息子にもコラムを読ませ、さらに書き写させています。デジタル版でも良かったんですが、手を動かして紙面をめくりながら、ノートに書き込んでいくというアナログな作業を経験させておきたかったんです。ネットやデジタルには今後いくらでも触れる機会があるでしょうし。仕事柄、紙が好きというのも大きいです」(Aさん)