コロナ禍で極力移動を控えていた人も多いだろうが、ワクチン接種が広がれば、お盆や年末年始の帰省も増えていくと予想される。久しぶりに親子が顔を合わせた際、話し合っておきたいことは数多くある。家族会議を円滑に進めるコツとは?
親が元気なうちに家族会議の議題としたいのが、治療や介護が必要になった時の希望だ。相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美氏はこう言う。
「在宅介護がいいのか、老人ホーム入居を望むのか、終末期の延命治療を望むのか、といった方針は、家族全員で共有できたほうがいい。親の体が弱ってきてからだと、率直な希望を話し合いにくくなります」
先祖代々の墓についても、どのように守っていくかの話し合いを進めたい。葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏は、「久しぶりの帰省で家族が揃うなら、まずは一緒にお墓参りなどいかがでしょう」とアドバイスする。
「いきなり“これから墓をどうするか”という話し合いに入るのではなく、まずはお墓参りで一緒にご先祖に思いを馳せ、そこからお墓をどう守っていくかという話に進んでみては」
そういった流れであれば、葬儀の手配などについても話がしやすくなる。
「葬儀は、本人の思いだけでなく残された人がどうやって見送りたいかも大切。生前に細かいことを詰めるより、なぜそうしたいのかという本質的な部分を共有しておきたいですね」(吉川氏)
そうやって時間をかけて相談することとは別に、迅速に家族で共有しておきたいのが「葬儀の声がけリスト」だという。
「とくに親子が同居していないケースでは、亡くなった後で“誰に連絡したらいいのか分からない”という話になりがち。アドレス帳に印を書き込んでおくだけでもいいと思います」(吉川氏)