米中関係悪化でも「日中経済の補完性は強い」
ちなみに、日本から中国への輸出品で寄与度の大きなものを挙げると、半導体などの製造装置が63.9%増(寄与度3.5ポイント、以下同様)、自動車が42.9%増(1.8ポイント)、原料品が125.0%増(1.7ポイント)であった。輸入については、通信機が52.3%増(4.0ポイント)、衣料・同付属品が11.6%増(0.7ポイント)、自動車の部分品が80.2%増(0.7ポイント)である。
実はこの統計、中国外交部が18日の定例記者会見で話題にしている。
深セン衛星テレビ局の記者が「5月における日本の中国向け輸出、輸入は1979年以来、5月としては過去最高を記録した。中国向けの輸出、輸入比率はいずれも全体の2割を超えており、日本の貿易に占める中国の重要性は不断に高まっている。この点について中国側はどう評論するか」と質問した。
これに対して趙立堅報道官は、以下のように答えている。
「日中経済の補完性は強く、いずれも東アジア、グローバルインダストリアルチェーンの重要な構成要素となっている。中国日本商会が発表した“中国経済と日本企業2021年白書”によれば、新型コロナ禍の下でも、中国に進出している日本企業の63.5%が利益(営業利益、見込み)を上げており、92.8%が新型コロナ禍や貿易環境の変化を理由に中国での生産を見直すことはないとしており、90.4%が中国での調達を拡大すると表明している。
日本政府は最近、アメリカによる対中強硬策に同調し、一連の対中デカップリング政策を実施したり、検討したりしており、日中間の正常な経済貿易協力の障害となっている。両国企業のお互いの協力関係にリスクをもたらしている。
日本政府は自国の利益、国際秩序を維持するといった観点を起点として、市場規律と自由貿易規則を尊重し、企業の声に真摯に耳を傾け、時代の潮流に適応し、公平公正で、透明で、差別のない経営環境を提供しなければならない。グローバルなインダストリアルチェーンを維持し、サプライチェーンの安全、信頼性、安定性を確保し、日中経済協力に対して非市場化に向けた人為的な制限を設けたり、つまらない政治干渉を減らさなければならない」