「おもち呼吸法」と「4つのツボ」
こうした症状を緩和するにはどうすれば良いのか。
「まずは、不安や恐怖心で緊張している体をほぐし、リラックスさせることが先決です。心と体は密接に結びついているので、心が緊張すると体もこわばってしまいます。不安や恐怖を感じると呼吸は浅く速くなり、この状態が続くと交感神経を刺激し、そこに動揺やストレスが加わることでさらに悪化して動悸や発汗などの症状を引き起こします。私は、既に症状を自覚している人には、まず呼吸を落ち着かせるための『おもち呼吸法』を実践するよう伝えています」(影森さん・以下同)
「おもち呼吸法」は、とろけるおもちをイメージしながら息を吐いたり吸ったりするというもの。具体的な方法を影森さんが話す。
「最初に軽く上半身をストレッチして体をほぐします。次に、ストローを吸うときのように口をすぼめて、体の力を抜きながらフーと長めに息を吐きます。この時、頭の上でとろとろに溶けていくおもちをイメージしてください。全身の力が抜けていくとともに、おもちが頭の上で溶けていくような感覚です。
ゆっくりと時間をかけて少しずつ息を吐き、全て吐き切ったら、今度はお腹を膨らませるのを意識しながら鼻から息を吸い込みます。吸う時は好きな香りをイメージしましょう。十分に空気を取り入れられたら一拍置き、またとろとろと溶けていくおもちをイメージし、ゆっくり少しずつ息を吐きます。息を吸う時に交感神経が働き、吐くときに副交感神経が優位になるので、吐く息を長くするように意識しましょう。
これを1日2回、1回につき5分ほど行うのを目安に続けます。力んでいた体が緩んで頭のモヤモヤがスッキリし、エネルギーがみなぎって来るのが実感できると思います。また、この呼吸法を行う時は、森の中をイメージするとより深くリラックスできます。木々の緑や鳥のさえずり、風にそよぐ木の葉の音など、五感で森の中を感じながらゆったりと行いましょう」
「おもち呼吸法」を行うと体がリラックスして眠りにつきやすくなるため、就寝前に行うのが良いという。また、嫌な感情にとらわれたり不安な気持ちが強い時にも、この呼吸法を行うと気分をリセットしやすい。習慣化することで次第に自律神経が整い、外からのプレッシャーやストレスに無暗に反応しない体になっていくという。