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【ドル円週間見通し】ドルは底堅い値動きか、米雇用関連指標に注目

今週のドル円注目ポイントは?

今週のドル円注目ポイントは?

 投資情報会社・フィスコが6月28日~7月2日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル円は底堅い値動きか。利上げ開始時期について米連邦準備制度理事会(FRB)のコンセンサスは形成されていないようだ。セントルイス連銀のブラード総裁は早期利上げの必要性に言及し、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁とダラス連銀のカプラン総裁は資産買取りの段階的縮小(テーパリング)論議の前倒しを主張している。一方、ウイリアムズNY連銀総裁は急激な物価上昇は一時的と指摘し、パウエルFRB議長は予防的な利上げには否定的とみられる。

 今週以降も金融当局者の発言が注視され、慎重な発言はドル買いを抑制しよう。ただ、市場関係者の間では、FRBの金融政策が引き締めに向かっていることは間違いないとの見方が広がっている。インフレ進行や雇用拡大によって早期利上げの可能性が再び高まる可能性は残されており、リスク回避的なドル売りは抑制されそうだ。6月ISM製造業景況感指数の雇用指数や6月ADP雇用統計、6月雇用統計が市場予想を上回った場合、ドル売りは一段と縮小する可能性がある。

【米・6月ISM製造業景況指数】(7月1日発表予定)
7月1日発表予定の米6月ISM製造業景況指数は61.0と、前回の61.2からほぼ横ばいの見通し。雇用指数が改善すれば、6月雇用統計の改善が期待されることから、ドル買い材料になるとみられる。

【米・6月雇用統計】(7月2日発表予定)
7月2日発表予定の米6月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+69.0万人、平均時給は前年比+3.6%、失業率は5.7%の見通し。非農業部門雇用者数の増加幅は5月実績を上回る可能性が高い。失業率はやや低下と予想されており、市場予想と一致すればドル買い材料になり得る。

・6月28日-7月2日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(日)日銀短観4-6月期調査 7月1日(木)午前8時50分発表予定
・予想は、大企業製造業DIは+17
 参考となる1-3月期大企業製造業DIは5で2020年10-12月期との比較で15ポイント改善した。海外経済の持ち直しで輸出や生産活動が拡大したことが要因。4-6月期については緊急事態宣言の期間延長の影響は小さくないが、輸出や生産の増加基調は維持されており、製造業全体の景況感はさらに改善する見込み。

○(中)6月財新製造業購買担当者景気指数 7月1日(木)午前10時45分発表予定
・予想は、52.1
 参考となる5月実績は52.0。新規受注は高い水準を維持しているが生産はやや伸び悩んでいる。6月については、新規受注と輸出はまずまず好調と予想されており、全体の指数は5月実績に近い水準になるとみられる。

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