日々の買い物をいかに安く済ませるかを工夫する人も多いだろう。スーパーマーケットの特売を狙ったり、ディスカウントショップでまとめ買いをしたり、節約の方法は様々だ。しかし、なかには“値段”にはこだわらず、定価で商品が売られているコンビニばかりで買い物をするという人もいる。いったいどんな理由があるのか、話を聞いた。
都内に住む40代会社員の男性・下山さん(仮名)は、まさにコンビニでしか買い物をしないという。
「食料品はコンビニでしか買いません。あと、シャンプーとかトイレットペーパーとか、そういった生活用品もコンビニで買います。スーパーやドラッグストアよりも価格は高いけど、個人的にはコンビニのほうがいいんですよ」(下山さん・以下同)
下山さんは独身で、東京都世田谷区の住宅街にあるマンションで一人暮らしをしている。自宅から徒歩圏内には24時間営業のスーパーのほか、生鮮食品が揃った小規模スーパーもある。
「私がいつも買い物をしているのは、家歩いて1分くらいのところにあるコンビニです。ほとんどそこでしか買い物はしません。ちなみに一番近いスーパーまでは歩いて5分くらいです」
スーパーまで決して遠いわけではない。にもかかわらず、コンビニばかりを利用するのはどうしてなのだろうか。
「一番の理由は、私がせっかちな性格だからでしょうね。スーパーで買い物をすると時間がかかるじゃないですか。スーパーは広いので、入ってから商品を選んでレジに行くまでに、結構な距離を歩かなければならない。買うものが決まっていて、最短距離で行っても、店に入ってから会計を済ませるまで時間がかかります。その時間が、ちょっと無駄に感じてしまうんですよ」
“快適さ”にお金を支払っている感覚
下山さんは、行きつけのコンビニで買い物をする際は、一切の無駄を省いて動くという。
「いつも行っているコンビニだから、どこに何の商品があるか完全に把握しています。そもそも一人暮らしで自炊もほとんどしないので、買うものも決まっていて、商品を探すということも一切ない。スーパーで数分かかる買い物を、コンビニであれば1分未満で終わらせることができる。あと、僕が行くコンビニではレジが混むこともほとんどない。スーパーでレジに並んでいる時間を節約できるのも大きいです」