この4月から、パチンコ機、パチスロ機のテレビCMが放送されるようになっている。パチンコ・パチスロメーカーやパチンコ店の企業広告はこれまでもテレビCMとして放送されていたが、特定の機種のCMが放送されるのは、実に10年ぶりだという。パチンコ業界に詳しいライターの藤井夏樹氏が説明する。
「パチンコ機、パチスロ機のテレビCMは、2007年頃をピークに放送されていました。全盛期はゴールデンタイムでも多くのパチンコ・パチスロのCMが流れていましたが、あくまでも18歳以上向きだということで、2009年4月に午前5~9時と午後5~9時の時間帯での放送は控えるようになりました。そして、2011年の東日本大震災が発生したことで、パチンコ機、パチスロ機のテレビCM放送は全面的に自粛となり、そこから10年間、まったく放送されずにいました。
そして、昨年末にパチンコメーカーによる業界団体・日工組(日本遊技機工業組合)の役員会で、テレビCM解禁が決議され、今年4月から放送が開始しています。テレビCM解禁となった背景には、コロナ禍によるパチンコ・パチスロユーザーの減少、さらに新規則機と呼ばれる新機種があまりユーザーから支持を得られていないことなどが考えられます」(以下同)
現時点では数機種のCMが放映されるにとどまっており、2000年代のような活況にはなっていない。
「ホール導入済みの『Pギンギラパラダイス 夢幻カーニバル』(三洋物産)や8月導入の『Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』(SANKYO)など、数機種のテレビCMが流れたくらいで、放送回数も少なめです。コロナ禍によって注目機種の導入が遅れるなどの影響もあり、ひとまずは静かな解禁といった印象です」