収入以上にお金を使えば、貯まらないのは当たり前のこと。でも、できるだけムダづかいしないようにしているのに、なぜかお金が貯まらないなら、家計管理のやり方に問題があるのかもしれない。
これまで2万4000件以上の家計相談を受けてきた、ファイナンシャルプランナーで家計再生コンサルタントの横山光昭さんも、かつてはなかなかお金を貯められなかったという。
「支出が収入を上回ってしまう理由は人それぞれ。たんに無計画だったり、知人などの誘いを断れないお人よしだったり、家族のための出費がかさんだり……でも、どのタイプでも共通しているのは、“毎月のお金の流れが見えていない”ということ」
収支の把握は、家計再生の基本中の基本。こまめに家計簿をつけている人も多いが、それよりも先にやるべき、超簡単で効果的、かつ根本的な解決につながる方法がある。
カードを封印すれば家計が変わりだす
横山さんは、貯蓄体質になるための第一歩として、クレジットカードを封印した。1枚あれば、ほとんどどこでも買い物ができる、便利でお得に思えるカードこそ、浪費の元凶である可能性があると考えてのことだ。
「クレジットカードでの買い物は、財布からお金が減ることがなく、月に一度届く利用明細や通帳に記帳したときの数字でしか残高を確認することができないので、キャッシュフロー(収支、お金の流れ)をこまめに確かめられないのが、最大のデメリットです。
しかも、カード払いは基本的に翌月払い。そのときは財布や口座にお金がなくても、欲しいと思ったらすぐに買い物ができてしまう。すると、本当に必要な買い物と衝動買いの区別がつかなくなり、深く考えずに買い物する習慣がつくことさえあります。私自身、20代の頃は、欲しいものはすぐにカードで買って、キャッシングまでしていた浪費家だったのです。当然、毎月返済に追われていました」(横山さん)