住まい・不動産

東京都内、10年後の資産価値「落ちる街」「落ちない街」ランキング50

 一日の乗降人員数が約8000人と規模の小さい神泉も3位に食い込んでいる。

「京王井の頭線で渋谷の隣にある駅で、中高年には円山町のラブホテル街のイメージが強いかもしれません。しかし、いまは渋谷まで徒歩圏内の『奥渋エリア』同様に洒落た飲食店も増え、主に若い世代の人気が高まっています」(同前)

 仲御徒町(6位)、本所吾妻橋(14位)が上位となったのも、同様の理由が考えられるという。

「いずれも10数年前までは人の住むイメージが薄かったですが、たとえば仲御徒町は駅前にカフェが多くあったり、公園があったりと生活環境が整い始めています。近年は昔のイメージにとらわれない子育て世代が『住みやすい駅』として好むようになりました」(榊氏)

生涯住み続けるか、高齢になって住み替えるか

 ただし、実際に不動産を購入する場合、ランキングの「落ちる街」の購入は避け、「落ちない街」を選択すれば良いという安易な考えは避けるべきだ。

「そもそも住まいは“将来どれくらいの値段で売れるか”だけでなく、“そこでいかに快適な生活を送れるか”という点も大事です。たとえば自然が好きな人なら、山手線沿いの価値が落ちにくい駅ではなく、多摩地区の不動産を選べば、同じ予算でも自分の望むライフスタイルで暮らせて、余った分を老後資金に回すこともできます。

 一方で、将来的に自宅を売却して老後資産に充てようと考えているなら資産価値は無視できません。生涯住み続けることを考えているか、高齢になってから売って住み替えようと考えているかで判断は大きく異なるのです。まずは自分のライフプランをよく考えてから、購入エリアを見定めるべきでしょう」(榊氏)

 現在、不動産を保有している人もこれから購入を予定している人も、これを機に「将来の不動産計画」を見つめ直してはいかがだろうか。

※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号

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