さらに、コロナの感染拡大で国は補正予算から感染対策などに大会費用を追加しており、国の負担額として1749億円が加わる。
ただし、この金額には五輪後も使用される既存施設の改修費用などは含まれていない。それらの費用は「五輪関連経費」として大会予算とは別に計上されており、金額は東京都が7349億円。
政府は国の五輪支出をあくまで「大会経費(直接経費)」にしぼって発表しているが、会計検査院は他にも関連事業があるとして、2018年度までに国が支出した総額は1兆600億円にのぼると調査報告書で指摘している。
組織委員会分の費用を除いた東京都と国の「大会経費」と「関連経費」の合計額は、都が1兆4519億円、国が1兆3059億円になる。この金額は都と国の一般会計から支出されており、財源はいずれも税金だ。
1人あたりの税負担を計算すると、東京都民は「10万3929円」、4人家族なら1世帯約42万円を都民税などで五輪のために払っている。都民負担金額を除いた国民1人あたり(都民を含む)の五輪負担は「1万408円」になる。
これが都民と国民の東京五輪の“テレビ観戦料”ということになるわけだ。
※週刊ポスト2021年8月13日号