日本全国にある“ご当地グルメ”。現地に行ってそれを食べるのも旅の楽しみのひとつだが、なかには頑なに「旅行に行ってもご当地グルメは食べない」と主張する人もいる。メーカー勤務の40代男性・Aさんは、泊まりの出張で日本各地に行くことも多い。しかし、ご当地グルメはほとんど食べないというのだ。
「ご当地グルメは、おいしいものもあれば、正直好みではないものもあります。自分の口に合うかどうかは、食べてみなければわからない。出張の仕事で疲れた夜くらい、好きなものを食べて落ち着きたいという気持ちが強いので、ハズレを引くかもしれないご当地グルメには、手は出さないようにしています。基本的に出張先では、居酒屋チェーンに行ったり、焼き肉のような“どこで食べても味の想像がつくもの”を食べることが多いです」(Aさん)
また、ご当地グルメを食べないのは、節約のためでもあるという。
「観光客向けのご当地グルメのお店のなかには、高級な雰囲気でかなり値段が張るようなこともあります。それで好みでなかったらショックだし、旅の印象が最悪なものになってしまう。せっかく高いお金を出すなら、確実においしいもの選びたいんです。だから、その土地の名物だというだけで、ご当地グルメに高いお金を出すっていうことは基本しません」(Aさん)
ご当地グルメで失敗するのがイヤなら、その土地の人においしいお店を教えてもらえばいいのではないだろうか。しかし、そこにも落とし穴があるという。出版社勤務の30代女性・Bさんはこう話す。
「取材で行った先々で現地の方におすすめの店を教えてもらうこともあります。ただ、実際に行ってみたら、特にご当地グルメのお店ではなく、パスタやカレーのお店というようなこともあります。そういうお店は、地元の人に愛されていることは確かだと思うんですが、こちらが求める“その土地ならでは”のものではないので、『この辺でおいしいお店はありませんか』という聞き方ではダメ。具体的に、『郷土料理が食べたい』『ガイドに載っているような、○○が食べたい』というように聞かないといけないということは学びました」(Bさん)