新型コロナ緊急事態宣言下、無観客ではあるが、五輪のさまざまな競技で熱戦が繰り広げられている。日本選手のメダル獲得が連日ニュースを賑わせている一方で、新規感染者数は東京を中心に過去最多を更新するなど、多くの人にとってストレスフルな日々が続いている。その影響は、せっかくの夏休みに、自宅で過ごすことを強いられる子供たちにも及ぶ。2人の男児を育てる30代主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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夫とともに9歳、5歳の息子2人を育てる都内在住の専業主婦、佐藤千尋さん(仮名・38歳)は、子供たちに“自粛疲れ”が見られるようだと気になっているという。
「この1年以上、家族一丸となってステイホームを心掛けた生活を送っていました。特に子供たちには我慢をさせてばかりだったので、今年の夏休みは近場に旅行でも……と思っていたのですが、4度目の緊急事態宣言が発令。仕方がない事とは分かっているものの、家族4人とも気持ちがズーンと落ちてしまったのが本音です」(佐藤さん、以下同)
佐藤さんは子供たちに事情を説明したものの、もはや危機感をあまり感じていない様子だったという。そして困ったことに、「外出自粛」を交換条件に、“おねだり”や“甘え”を見せ始めたそうだ。
「長男は『家にいなくちゃいけないんだったら新しいゲーム買ってよ』とか、『ステイホームだから習い事は行かなくていいね』と言い出したんです。次男も長男の真似をしてか、『ちゃんとステイホームするからお菓子ちょうだい』とか……。でも、特にお金が絡む要望には、少額であっても応えられません」
子供たちの様子がおかしいと感じたことをきっかけに、家族で話し合いの場を設けたという佐藤さん。そこで分かったのは、子供たちなりに意見を持っていたことだった。