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追突事故の2か月後に被害者が後遺症治療費を請求 支払い義務はあるか

 あなたが受けている要求は損害賠償請求ですから、その前提として、被害者から診断書などで現在の症状、その治療の内容と必要性、症状と事故との相当因果関係を明らかにしてもらうことが大切です。

 請求されるまま治療費を支払い、後で保険会社に保険金を請求しても、事故との相当因果関係が否定されて、支払いを拒否される場合もあります。まずは契約している保険会社に相談するべきです。

 また、一度は示談していますが、示談すれば一件落着で紛争の蒸し返しはできません。しかし、示談は当事者間の紛争を前提としますので、物損のみの紛争を解決する示談であれば、それ以外の損害については未解決です。また、事故による損害全体についての示談であっても、示談当時予想できなかった後遺症等が示談後に発生すれば損害賠償請求できます。

 とはいえ、示談当時、被害者が首の痛み等を覚えていながら、事故による損害一切を解決する示談をしていれば、もはや請求できない場合もあります。一度、地域の弁護士会の交通事故相談センターに相談してみるとよいでしょう。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座、B型。

※女性セブン2021年9月2日号

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