芸能人・著名人の相続・終活
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園まり 大きな自宅を手放して感じた「シンプルに生きられる喜び」

3人娘の仲間たちへの感謝と公演の奇跡

「『私は自分の心の片づけをしないとダメだ』と思いました」

 手つかずだった自宅は、業者に依頼してトラック3台分の荷物を処分。3日間というタイムリミットがあったため、「もったいない」と悩む暇もなかった。しかし、「それでよかった」と言う。今年3月には、かつて憧れた「大きな家」とはまるで違う、こぢんまりしたマンションに引っ越した。

「広い家に住んでいたら足に悪いし、独り身なので何かあったら嫌だなと考えて、友達が近くにいるところに住むことにしました。手狭だけど、ひとりで住むには充分です。いま部屋にあるのは必要な電化製品だけ。見渡すだけでどこに何があるかわかるくらい物がありません。物を持つこともよかったけど、いまはこんなにシンプルに生きられることに喜びを感じます。77才になって、やっとです」

 生活の変化は、園の芸能活動にも大きな影響を与えている。芸能界という華やかな戦場を生きてきた園は、「目立ちたい」「自分のため」という負けん気が強かったが、いまは、「人に寄り添える歌手になりたい」と思うようになった。なかでも、青春時代をともに過ごした3人娘の仲間たちへの感謝は大きい。

「足の手術をした後、たった2か月後に3人娘のコンサートが控えていたんです。私は半ばあきらめていましたが、『ダメよ、3人娘でしょ』って言われちゃって。目標に向かって一生懸命リハビリをしたんですが、中尾さんは車いすのことに詳しくて、伊東さんは股関節の手術経験があるからアドバイスをくれて、2人の力で乗り切ったの。公演では、短い時間だけど車いすから立って歌うこともできた。あれは奇跡でした。

 中尾さんと伊東さんとはずっとライバルだったけど、人生を乗り越えてきて、痛みを感じ合えるようになった。友情を感じました。ライバルだと思っている人に車いすを押してもらうことなんて、ないですものね」

 年齢を重ねると、物への情は薄れても、人との絆は強くすることができる。園が本当に手放したものは“昔の私”だと語った。

※女性セブン2021年9月16日号

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