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企業の「在宅勤務でも禁煙」ルール導入を「怖い」と感じる人たち

「在宅勤務でも禁煙」に違和感を覚える人も(イメージ)

「在宅勤務でも禁煙」に違和感を覚える人も(イメージ)

 リモートワークが定着した今、企業が在宅勤務者へ「禁煙」を要請する流れが目立ち始めている。野村ホールディングスは10月から、在宅勤務においても就業時間中の全面禁煙を実施すると発表した。「健康経営」を掲げる同社は、社員の健康保持・増進といった観点から踏み切ったという。こうした取り組みは、イオンや味の素、カルビーも行っている。相次ぐ「在宅勤務も禁煙」という風潮に、喫煙者だけでなく、非喫煙者からも、様々な意見が出ているようだ。

「また喫煙者ばかり悪者扱いですよね。またたばこ税は上がるし……。まったくひどい話ですよ」

 そう嘆くのは、メーカーで働く喫煙者の40代男性・Aさん。オフィスと同様の規則を在宅勤務にも適用することに一定の理解を示すものの、「禁煙は賛成できない」と表情は険しい。

「気が緩みがちな在宅勤務にカツを入れる意味で、一定のルールは必要だとは思います。でも、そもそも自宅という私的な場所で、禁煙という息抜きさえも禁止されるのは理解に苦しみます。別に法律違反をしているわけでもないのに、たばこを吸っている人は、『犯罪者』と言わんばかりですよ。常時ウェブカメラで監視して刑務所みたいにするのでしょうか。ただでさえ、普段から他人に迷惑をかけないように気を遣いながら吸っているのに、これ以上の制限は勘弁してほしいです」(Aさん)

 IT企業で働く非喫煙者の30代男性・Bさんは、「そもそも、受動喫煙防止とかって、他人に迷惑をかけないためのものですよね。自宅で一人暮らしをして、マンションも禁煙というわけではない。守るかどうかをどう判断するのか」と不思議がる。

 またBさんは「健康経営」という名のもとに在宅勤務中の禁煙が行われる点にも注目し、危機感を抱く。

「今、『健康経営』をしていると“いい企業”と思われる、みたいな、企業の一種のポーズにしか思えません。社員の健康を考えるならたばこだけでなく、飲酒も制限するべきでしょう。1日ビール何缶まで、休肝日は最低週○日みたいに。肥満も良くないですから、揚げ物は禁止、糖質も○gまでとか。これがエスカレートしていくと、SNSやゲームも依存しやすいのでNGみたいになっても不思議ではないってことですよね。管理社会みたいな自由が失われたディストピア的な展開しか見えません。この企業の姿勢がトレンドになってしまうのが怖いです」(Bさん)

 もっとも、在宅勤務者への禁煙要請は、健康面の問題というより、喫煙によるサボりをなくす習慣づけに効果があるのではないか、と一定の理解を示す人もいる。PR業界で働く非喫煙者の30代女性・Cさんだ。

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