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株価を左右する自民党総裁選「河野氏・高市氏なら買い、岸田氏なら売り」の理由

すでに市場では「ポスト菅の関連銘柄」が物色されている

 安倍前首相から支持されていると言われる、高市氏の場合はどうか。

「株式市場にとって“好都合”なのは高市氏でしょう。投資による値上がり益が目減りするキャピタルゲイン課税を政策に掲げていることは市場にとって懸念材料ではありました。しかしながら、高市氏は9月13日、BSテレ東『日経ニュース プラス9』に出演し、主張する金融所得課税の引き上げは物価安定目標のインフレ率2%を達成後に実施する考えを示したので、高市氏が新総裁になっても、日本株が『高市ショック』に見舞われる可能性はなくなりました。

 高市氏は、自身の経済政策を『サナエノミクス』と銘打って、これまで大きな株高をもたらしてきたアベノミクスの継承者を自負しています。高市氏は、物価上昇率2%を達成するまで基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標を凍結する方針を掲げており、積極的な財政出動が期待でき、これは市場でも好感されるはずです。中長期の時間軸なら、株価的には河野氏よりも高市氏が新総裁になった方がより大きな上昇が見込めるのではないでしょうか」

 これら両氏と比べると、市場関係者の間での岸田氏の評価は、そこまで高くないようだ。

「経済政策の面から見ると、岸田首相の誕生は株式市場にとって、あまり歓迎されないかもしれません。『令和版所得倍増計画』を謳っても、そもそも市場では“緊縮財政派”と認識されているからです。コロナ対策で国民の生命・財産を守らないといけないときに、最優先すべきは積極財政による大型経済対策なのに、国のバランスシートにこだわっている場合ではない。岸田氏が“ポスト菅”の座に就けば、せっかくの株高基調に水を差すかもしれません」

 国民的人気がありながらも出馬を断念する意向が伝えられている石破氏については、「万が一、石破氏が新首相になった場合、株式市場は苦しい展開が予想されます。現時点では、経済対策に明るい有力なブレーンも見当たらないことから、株価上昇は期待しにくい」と分析する。

 少々気が早い気はするが、すでに市場では「ポスト菅の関連銘柄」が物色されているという。

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