コロナ禍で在宅時間が長くなる中、家事の負担が増えている。そうした中で、夫婦のちょっとした行き違いからトラブルが生じることもある。夫が妻を気遣ったつもりで「簡単なモノを作ってほしい」と言っても、夫婦で「簡単なモノ」に対する認識差から、いざこざが生まれしまうというのだ。そうしたリアルケースとともに、夫と妻の両者の言い分を紹介しよう。
「何でもいい」を避けたのに…
「『今日は適当でいいからさ、家にある簡単なモノで大丈夫』と、妻に言ったんです。私は気遣ったつもりだったのに、妻が機嫌を悪くしてしまって……困惑しました」
そう振り返るのは、メーカーに勤める40代男性会社員・Aさんだ。小学生の子どもたち2人と家族4人で出かけて、夕飯の時間帯には少し早い17時頃に帰宅することになり、その時のことだった。
「スーパーに寄るのも大変だろうから、ありあわせの物でいいと思って、簡単なモノで大丈夫と言ったんです。妻は『何でもいい』というと不機嫌になることがあったので、『焼きそばや生姜焼きくらいならできそうかな』と提案もしました」(Aさん)
ところが、妻から返ってきた言葉は、「牛丼を食べて帰ろうとか、テイクアウトしようとかとか言えないの?」という言葉だった。
「子どもたちが疲れている様子だったので、早く家に帰ってゆっくりしたいだろうと焦っていたんですね。確かに、妻の負担を考えなさすぎでした。反省しています」(Aさん)
専門商社に勤める男性30代・Bさんは今夏、妻を不愉快にさせてしまった“そうめん事件”を明かしてくれた。その日、在宅勤務だったBさんは、出社日で帰宅した妻と顔を合わせるやいなや、お互い在宅勤務中のような感覚で言ってしまった言葉があった。