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東京五輪を振り返ると「持続可能コンセプト」はまったくの逆だった

使わなかったものは無料配布、または廃棄

 大会の「持続可能コンセプト」として、「資源を一切ムダにしない」とか「人権・労働、公正な事業慣行」とエラそうに掲げておきながら、終わってみれば、やってたのはまったく逆のこと。

 9月初めに、東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会が、ボランティア用ユニホームなどを希望者に無料で配ったのもひどかったね。

 ボランティアには、活動前に1人当たり、「ポロシャツ3枚、ズボン2枚、ジャケット1着、帽子1個、シューズ1足、バッグ」などが配られた(大会スポンサーのアシックス社製で一式3万円相当といわれている)。

 当初は約8万人がボランティアとして稼働する予定だったけど、コロナ禍やら関係者の不適切発言やらで約1万人が辞退して、そのぶんが丸々宙に浮いた。それを大会後にバラまいたわけだけど、やること雑すぎるよ。

 ボランティアたちにメールで知らせて、そのメールにタイミングよく対応できた希望者だけが持ち帰れることになったんだけど、会場では「TOKYO2020」と書かれた黒い袋が配布されて詰め放題だったそう。大きな黒い袋を何袋も抱えている人が大勢いて、オークションサイトに横流しする人が何人もいた。長袖のジャケットが1着2万円超で落札されたらしいけど、なんか穏やかじゃないわよね。

 ほかにも、組織委員会は、競技会場の医務室で使用しなかったマスクやガウンなどの医療資源を一部廃棄処分していたと発表したけど、廃棄したのはマスク660箱、ガウン3420枚、手指消毒液380本で、総額なんと500万円分に及ぶ。

 五輪スタッフ向けの弁当だって、準備期間の7月3日からの1か月間で約13万食が廃棄され、廃棄率は25%だったというのよ。40代の初め、お弁当屋さんで早朝アルバイトのラインに立っていた私は、聞くだに涙が出そうになる。時給をもらえばいいというものじゃない。誰かがこのお弁当をおいしいと食べてくれると思うから、板長から怒鳴られながらご飯詰めができるんだよ。

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