生前贈与は今年のうちに
曽根さんもファイナンシャルプランナーの明石久美さんも、なるべく早く手を打っておくしかないと、口をそろえる。
「そもそも、暦年贈与を3年前までさかのぼって課税するということは、“相続税を払いたくないがために、慌てて贈与するのは許さない”ということです。贈与税がどうなるかわからない以上、なるべく早く生前贈与を始めておかないと、せっかく贈与した意味がなくなるかもしれない」
渡したい財産があるのにまだ生前贈与していないなら、今年のうちに始めておかないと、損することになるかもしれない。というのも、早ければ来年か再来年の年度末にかけて、税制が変わる可能性がささやかれているからだ。
「現在でも、亡くなったら、そこから3年前までに贈与した分は相続税の対象になります。できるだけ早く生前贈与しておくに越したことはありません。この先は、いま以上に国民に相続税を支払わせる制度に変わるはず。年間110万円の枠や教育資金など、現在非課税とされている枠を使って、元気なうちに生前贈与しておくのが得策です」(曽根さん)
相続税対策の定番が失われかねない中、一日でも早く駆け込むのが吉ということか。
※女性セブン2020年9月30日・10月7日号